離婚をしたいから別居する!と言っても、そう簡単に別居してしまうと離婚後の条件に不利益を与えることもあります。
離婚したい理由が大きな要因ですが、最もいけないのは「衝動的にもう一緒に生活したくない!」と言って家を出ていってしまうこと。
デメリットが大きく、離婚をした場合も勝手に出ていった自分が不利になってしまうでしょう。
離婚理由によって別居が必要な場合と不要な場合があり、必ずしも離婚前に別居をしたほうがいいということはありません。
ここでは別居をすることのメリット・デメリットを紹介していき、離婚と別居で迷う方の判断材料としていただければと思います。
これはやめた方がいい別居のケース!
もう夫(妻)と一緒にいるのは嫌だから家を出ていってやる!そのうち離婚すればいいし、財産も子供もなんとかなる、と思って家を出ていってしまったら?
こうしたケースは少なからずあるとは思いますが、離婚が成立したとしても、離婚条件は不利になるのは自分ということになってしまうかもしれません。
感情的に嫌というのは夫婦なら誰しもあるはずですが、かといって別居して離婚というわけにはいかないのです。
夫婦間の義務として、同居義務・協力義務・扶助義務の3つは民法で定められているため、勝手に家を出て別居するというのは同居義務に反する事となります。
民事上の義務を怠って「離婚したい」と訴えても、離婚理由には該当しないということです。
衝動的に別居してやる!というのはさらに大きなデメリットがあります。
まずは、出ていって経済的に生活を立てていくことができるか?
仕事を持っている人なら収入はありますが、専業主婦だった場合は出ていっても生活の保証はありません。
別居をするには、当然ながら住む家を決めなければいけませんし、アパートを借りるなどの場合は賃貸料金がかかってきます。
子供を連れていくなどの場合は転居先の学校を決める必要も出てきますが、そこが子供にとっていいところかどうかは不明でしょう。
衝動的に別居を選んでしまった場合は、こうしたリスクを背負うことになります。
そして、大きなデメリットは、別居したことで自身が離婚理由を作ってしまうこと。
裁判上の離婚理由は以下のとおり。
第770条1.夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
このうち2項に該当するのが「衝動的に別居して帰ってこない」ときです。
もし、旦那さんが家を出て別居した場合、それまで生活費を入れていた奥さん、子供さんに対しての生活手段を断ってしまうことになります。
これが悪意の遺棄といい、「奥さんや子供の生活を遺棄(放置)していれば、生活に困窮してどうなるかがわかっていながらその行動をしない」ということ。
悪意があるかどうかではなく、「放置するなどの行動の結果がわかっていながら不作為に生活を援助しない」ということです。
これは離婚理由に該当しますが、自分が離婚したいと言って衝動的な別居をし、悪意の遺棄があると証明されてしまったら離婚の原因を作ったのは自分であると判断されてしまいます。
離婚が成立したとしても、離婚条件は厳しくなり、原因を作った側よりは残された奥さん側の主張が重視されます。
離婚原因を作った側の有責性が明らかであることは、別居に大きく関係してくるのです。
引用元: https://www.riconhiroba.com/think/divorced-separated.html
不貞行為が原因で離婚するために別居することは?
民法770条1項1号に該当するのは「配偶者に不貞行為があったとき」です。
探偵事務所の浮気調査でもたびたび問題になるのが「浮気が原因で離婚したい!早く別居したい!」というとき。
依頼者は別れたいと強く訴えてきますが、夫が浮気をしていることに気付いていながら早い段階で別居してしまうのは得策とはいえないでしょう。
別居をしている状態が長く続いていれば、すでに夫婦関係が破たんしていることを意味します。
よって、その状態で浮気をしても、独身者が自由恋愛をしているのと同じ状態と判断され、浮気・不貞行為という考え方にはならないのです。
すでに他人同然の関係である夫婦で、片方が恋人を作っても通常の恋愛と同じ。
夫が浮気をした場合などは、その証拠がとれるまでは、あくまで「夫婦として成立している」という状態を維持しなければならないのです。
そして、その健全な夫婦関係を崩壊させた原因が浮気・不貞行為であることを証明することで、財産分与で主張を通すことができたり相手に慰謝料を請求することができます。
別居すべきではないとは言えませんが、証拠をとるまでは耐えた方が得策であると言えるでしょう。
このように、別居をして離婚する場合は、「相手に有責性がある」状態であることが望ましいといえます。
離婚の法的な原因は相手方にあり、それを証明できる場合は証明し、原因があるから別居に至ったというプロセスが必要です。
このほか、離婚の原因として挙げられるのはいくつかあります。
DV・モラハラを受けていることで、家庭内暴力は犯罪としてとらえられますから、その状況から逃れるために別居し離婚するなら有責性は相手方にあると判断されます。
生活が困窮するほど借金を作られたことも離婚理由です。
夫婦の扶助義務があり、旦那さんが奥さんの生活を支えている場合、その生活を成り立たせるための家計を圧迫するほどの借金を抱えてしまえば、離婚理由となるでしょう。
最も多いケースは性格の不一致です。
これは裁判上の離婚理由にあたる婚姻を継続しがたい重大な事由と考えられます。
もちろん、ちょっとした価値観の違いや性格が合わないなどは「重大な事由」とはいえません。
性格や価値観、金銭感覚の違いが「婚姻関係を継続できないほど」重大であることを証明する必要があるでしょう。
ただ、実際は別居をしてそのまま長い年月が経過しているという夫婦が多いでしょう。
離婚すると色々面倒なことがあり、生活費や親権、養育費などがかかるため、戸籍上の夫婦関係は継続していくということです。
引用元: http://institutodocasal.com.br/2017/07/sinais-divorcio/
別居することにどんなメリットがある?
これまでは別居はできるものの、離婚をする場合はどちらが有責者であるかをハッキリさせてから別居したほうがいいという事例を紹介しました。
ただ、現実に別居する場合は性格の不一致などが多く、自然と家を出て籍は抜かないでいるという場合が多いのです。
こうした「離婚は考えてるが今はせずに別居だけはする」という、最も多いケースで、別居することのメリットを考えていきたいと思います。
まず、嫌なパートナーから解放されることが目的で別居するわけですから、精神的に楽になるということが一番のメリットでしょう。
相手と距離を置くことで、互いに見つめ直す時間ができ、年月が経てばまた夫婦としてやり直せる可能性がある。
将来的な離婚を考えた場合、財産分与や親権などの諸問題を冷静に考えることができ、忙しい生活の中でも準備を整えることができる。
転居先が実家で、帰省するなどの場合は賃貸料などもかからず、経済的負担は少ない。
以上のようなメリットがあり、離婚を前提とした別居でも、時間経過とともに離婚に近づいていくことができます。
通常、離婚に至るまでの別居期間は5~10年とされています。
この期間が経過することで、有責性のない離婚原因でも「夫婦関係が破たんしている」とみなされ、法的に離婚が認められます。
ただし、別居期間中はあくまで夫婦であって、財産も共有しているとみなされます。
その間に離婚原因(浮気など)を作るようなことをしてしまっては、離婚が目的の別居とみなされ、有責性を問われて不利になる可能性があります。
以上のように、離婚準備のために別居は必要か?
ということに関しては、明確な離婚原因が相手方にあれば別居はできますが、その原因を証明できるよう情報をとっておいたほうがいいこと。
離婚原因を自らが作るために別居をすれば、そこをつかれて別居したと判断されてしまい、不利になることがあげられるでしょう。
引用元: https://esse-online.jp/53831
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