離婚する際には離婚届に「親権」についての記入欄はありますが、養育費の記入欄というのはありません。

親権は必ず決めておかなければならい一方で、養育費は夫婦での話し合いで決めるということになっています。

養育費に対する法的な根拠はありますが、仮に不払いになったとしても罰則はないため、不払いになるケースが多いようです。

実に養育費を子の成人年齢まできちんと受け取っているという親権者は20%にとどまり、多くは不払いになるか元々決めていないということがあります。

養育費はこの点からも、不払い(支払うことへの違反)をしたからといって、罰則などがあるわけではないのです。

法的に罰則規定がない代わりに、夫婦が協議離婚の際にきちんと決めておき、公正証書に残しておく、または調停や裁判で決める必要があります。

不払いになった際は、法的強制力をもって対処することで罰則の代わりに財産の差し押さえや給与からの天引きをするなどの措置をします。

1 養育費の法的根拠と罰則規定の有無

養育費の根拠は、民法760条(婚姻費用分担)、民法752条(夫婦間の扶助義務)、民法766条1項(子の監護費用)からなっています。

婚姻費用の分担ですから、子育てにかかる費用も双方が分担しなければならないということ。

夫婦間の扶助義務は、育児やそれにかかる費用もお互いが協力して行うということ。

子の監護費用は、その名のとおり子の住居指定、懲戒(しつけや教育)、身分行為の代理(子の結婚など)という監護権に基づいてそれにかかる費用を表します。

養育費はこのように民法上の根拠こそあるものの、罰則に関する規定はありません。

よって、不払いなどの問題が起きてもそのままになってしまい、養育費を受け取れないという親権者が多いのです。

養育費に関しては、離婚する際に夫婦の話し合いによって決められるため、協議離婚書などを作成していなければ口約束のまま終わってしまうでしょう。

養育費算定表を基準に考えてみると、子供1人につき4~6万円というのが相場ですが、これは支払い者の年収と婚姻期間によって金額が変わってくるのです。

例えば、結婚して10年の夫婦で、夫の年収が500万円だったとすると、子(10歳)にかかる養育費は月5万円程度といったところです。

この基準があるため、養育費は割と協議でも決めやすく、金額の決定自体はスムーズにいくはずなのです。

しかし、養育費の支払いが20%にとどまっているのにはそれなりの理由があるといえます。

離婚する際は夫婦がお互いにきちんと話し合うといったことを避けるようになるでしょう。

・相手の顔も見たくないから、養育費その他財産分与についても会話を交わさずそのまま別れようとする

・すでに別居状態だったため、子供の学費などが大変になってきた頃にはもう連絡先がわからない

・親権をとれればそれで良しとし、あとは相手の顔も見たくないから他条件は無視する

・わずらわしい決め事を仲の悪い配偶者と真剣に話し合う気になれない

・そもそも養育費があること自体知らなかった

・財産分与で条件を折り合わせているので養育費は受け取らない方針にした

・親権者が自分だけの収入で十分子供を養育できるので相手には生活費などの援助を頼らない

離婚するときは、こうした理由から養育費に関して決めることなく別れ、あとできちんと決めておけばよかったと後悔することもあるでしょう。

これを防ぐには法的に罰則規定を求めたいところですが、それがないため、協議で決めたことはやはり自分たちで解決するしか方法がないのです。

では、罰則規定がない(義務化までされてない)養育費についてどう対処すればいいのか?

やはり協議離婚の際にきちんと取り決めをしておくことが重要でしょう。

養育費を決めるポイントは「子供の幸福」を優先的に考え、自分たちの離婚理由を挟まないことです。

子供がこれからどんな学校に通い、習い事などを通してどんな能力を引き延ばしていくのか。

そこにかかるであろう費用は養育費算定表以外にどれだけかかってくるか。

具体的な子供の人生プランを提案することで、算定表によらない細かい養育費の設定ができるでしょう。

それを協議離婚書として作成したら、今度は公正証書に残しておくことで、不払いがあったときに対処できます。

引用元:  https://www.bengo4.com/c_3/c_1029/gu_657/

2 違反(不払い)があったらどうするか?

養育費については義務化されておらず、民法上の根拠こそあるものの、罰則規定は条文の中に記載されていません。

よって、違反という言葉はなく、不払いになるというトラブルが発生することになります。

これに対して、どう対処すべきかですが、上記記載の公正証書が一つと、協議がもつれた場合の調停、裁判判決などがあります。

罰則によって支払わせるということができないため、こうした法的強制力のある書面によって養育費の支払いを求めていくことになるのです。

協議離婚の段階で養育費の金額が合意すれば、公正証書として残しておくことをおすすめします。

これは養育費だけではなく、他の離婚条件も合わせて作成しておくべきです。

養育費の不払いは、最初から払わないということもありますが、数か月または数年してから支払いが途絶えるというケースも多くあります。

そうなったとき、公正証書をもって裁判所に申し立てを行うことで、強制的に支払わせることが可能になるのです。

これが罰則規定の代わりに養育費をきちんと収めてもらうという対処の仕方になります。

次に、お互いの話し合いで養育費が決まらず、そのまま放置状態になって別れたというケース。

これは最後まで養育費の金額決定をあきらめずに、調停に持ち込んで調停委員の判断に委ねること。

そこで金額が決定されれば、調停証書が作成されるため、これも法的強制力をもつことになります。

さらに、そこでも決まらなければ裁判というかたちになるでしょう。

これらすべてにおいて、不払いが発生した場合などは裁判所に申し立てることで相手方の給与から天引きさせたりすることができます。

引用元:  https://yourbengo.jp/rikon/64/

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